外来で行う検査

不整脈による薬物療法

抗不整脈薬は種類が多く、薬理作用は多岐にわたります。
ここではVaughan Williams(ボーンウィリアムス)分類(表1)にしたがって表記を行います。


不整脈薬物治療の特徴として、
 1) 根治療法ではない
 2) 多くの薬剤は心筋収縮力を弱める(陰性変力作用)
 3) 房室伝導抑制(PR時間延長)、心室内伝導遅延(QRS幅増大)をきたすことがある
 4) 本来不整脈を抑えることが目的であるが、ときに不整脈を悪化させてしまうことや新たな不整脈を
    引き起こすことがある(催不整脈作用)
などが挙げられます。


事実、抗不整脈薬のなかで長期投与による生命予後改善効果が証明されているのは、β遮断薬とアミオダロン
(心機能が保たれている症例)だけとなっています。

血行動態が安定しており、致死的不整脈に移行する可能性が低く、無症状の場合は、安易に抗不整脈薬を投与せず、
まず不整脈の原因(虚血、弁膜症、内分泌異常、電解質異常、貧血、脱水、低酸素、アシドーシスなど)を精査し、
あれば原因除去に努めます。
原因が明らかでない場合でも、カテーテルアブレーションICDを選択することで薬物治療の必要を減らすことができます。

抗不整脈薬投与中も、ただ漫然と投与することは避け、心機能や新規不整脈発生をモニターし、脱水や電解質異常に配慮しましょう。とくにI群薬は陰性変力作用があるので長期連用は避ける必要があります。



表1 Vaughan Williams(ボーンウィリアムス)分類


▲ページトップへ